一般社団法人
日本細胞生物学会Japan Society for Cell Biology

日本細胞生物学会 法人化について

平成25年5月8日(会員向けメール配信)
会長 目加田英輔

日本細胞生物学会では、平成24年度総会における承認を受け、法人化検討委員会を立ち上げて、学会の法人化について調査、検討してまいりました。その結果、法人化検討委員および運営委員会としては、「日本細胞生物学会を一般社団法人として法人化すべきである」という結論に達しました。以下、これまでの経緯を会員の皆様にご報告させていただきます。なお、法人化の是非並びに法人の形態につきましては、今年6月20日開催の平成25年度総会にてお諮りする予定にしております。

1.背景、経緯

これまで、日本細胞生物学会を含む日本の学会の多くは法人格を持たない任意団体として運営されてきました。しかし、任意団体には、運営方針や責任体制が明確でない、税務処理がなされていない等の問題があり、社会に対するコンプライアンス遵守の観点から、近年多くの学会が法人化に向けて動き出しています。
会員数1000人を超える日本細胞生物学会にあっても、このまま任意団体として活動を続けることには問題があるのではないかという認識から、平成24年度総会においてこの問題について議論を行いました。その結果、法人化検討委員会を立ち上げ、法人化の是非について検討を開始することが決定され、昨年6月より法人化検討委員会および運営委員会でこの問題について検討してまいりました。

2.法人化検討委員会および運営委員会での検討内容

1)他学会の法人化状況調査

他学会の法人化に関して、経緯、法人化の形態、手続きについて聞き取り調査を行いました。(調査を行った学会は、日本植物学会、日本動物学会、日本生物物理学会、日本分子生物学会、日本顕微鏡学会、日本解剖学会、日本生態学会、日本ヘリコバクター学会、日本生物工学会)

2)第2回運営委員会(平成24年10月13日)

1)の調査結果を法人化検討委員会から報告し、その内容について議論・検討を行い、以下の結論を得ました。
①社会的信用の観点から、学会は任意団体でなく法人格を所有すべきであり、日本細胞生物学会を法人化する方向ですすめる。
②形態として、公益社団法人、一般社団法人、特定非営利活動法人(NPO)がある。文科省は公益法人化を推奨している。公益法人は公益事業について非課税というメリットがあるが、会員数1000人規模で収益が見込めない日本細胞生物学会の場合、公益法人にすると事務業務の増加や公認会計士に経理を見てもらう必要があるなど、経費の面でデメリットの方が大きいことが予想される。ただし最適な法人化を選択するためには、公益、一般、NPOの相違を詳細に調査したうえで、さらに検討が必要である。
③法人化のためには、税務処理をまず検討し、法人化にともない発生する税金等についてもよく調査をする必要があるので、法人化検討調査と同時に税理士にも相談する必要がある。

3)第2回運営委員での結論に従い、法人化の形態並びに法人化に伴う税務処理について税理士との話し合いを実施しました。(平成24年11月22日)

以下、この時に税理士並びに中西印刷関係者からいただいた意見です。
①法人化の形態は、一般社団法人が最適である。
・NPO法人は代議員制を採用できないため、総会には全員の委任状が必要となり事務局の負担が大きくなる。また、一般社団法人がNPO法人に比べて社会的イメージが劣るということもない。
・公益法人は大きな収益が見込めるなら事務的な費用負担増となってもメリットがあるが、日本細胞生物学会のようなほとんど収益のない団体にはメリットがない。また認定後、公益性がないと判断されると、法人格が取り消しになるリスクもある。
②法人化と税務処理は別の問題であるが、法人化を目指すのであればまず税務処理から開始すべきである。
・本来は法人化に関係なく納税しなければならない。法人化前に最低2年の納税実績を作りたい。平成26年の法人化を目指すなら、今年度から納税する必要がある。
・現時点では収益がないので法人税はかからず、法人府民税・市民税、源泉税、消費税(大会の収支による)を納税することになる。
・税務処理を開始した場合、実際にどの程度過去に遡って納税する必要があるかは当局の判断に依るが、細胞生物学会の場合収益がないので、それほど大きな税負担は生じないと思われる。
・税理士報酬を支出する必要がある。

4)第3回運営委員会(平成25年2月9日)

3)でのアドバイスをもとに運営委員会で審議した結果、税務処理を平成24年度から開始することが承認されました。また、運営委員会としては日本細胞生物学会を一般社団法人として法人化することが望ましいと結論し、平成25年の総会においてその是非を諮ることになりました。

3.今後の予定

〇平成25年度総会での法人化の是非に関する審議
〇法人化が認められた場合は、以下のようなスケジュールで法人化の準備を行うことになります。
1. 法人化準備委員会を設置し、定款作成等の作業を開始
2. 平成26年度総会にて定款の審議・承認
3. 平成26年6月頃、法人届け提出

以上

日本細胞生物学会賛助会員

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