一般社団法人
日本細胞生物学会Japan Society for Cell Biology

第73回細胞生物学会大会 男女共同参画推進・若手研究者育成委員会企画ランチタイムワークショップ 「あなたのことを発信してみませんか?」

開催日

6月29日(火)11:45~12:45

講師

黒坂 宗久(エバリュエート ジャパン株式会社)

司会

末次 志郎(奈良先端科学技術大学院大学)・津久井 久美子(国立感染症研究所)

男女共同参画推進・若手研究者育成委員会では大学院生やポスドク、また女性研究者のキャリアパスについて考え、企画をしてまいりました。ですが、2020年の幕開けとともにCOVID-19パンデミックに見舞われ、すでに一年以上人に会えない、繋がれない世界が続いて未だ終息を見ません。すべての学会参加者が何等かの困難を抱えていると考えられました。そこで今年度はそれぞれの立場で現状を打破する考え方を提案する方法を模索し、エバリュエートジャパン株式会社の黒坂さんに講演をお願いしました。学位取得と国内外でのポスドク、製薬企業での研究、ライフサイエンスのコンサルタントと多様なキャリアをお持ちです。さらにSNSでの発信と連携を通じ、仕事のみならず人生の幅を広げる活動を積極的に行っています。与えられた環境の中で、学位を生かしながら自分らしい生き方を見つけて実行する心構え、自分の幅を広げるために大切な発信についてなど、これからの時代に即した個人活動を通じてさらに自分の仕事が広がる新しい世界についてご講演頂きました。

セミナーはウェビナーとして開催され、フロアには1時間の講演時間を通じて35~40名程度の参加者がありました。自由に会話ができるのが司会の二名にとどまったことから、講演後は主に司会が質疑をして理解を深めました。Q&Aでの質問は2件あり一つは大学院生と思われる方から、年代を問わず発信できることがわかり勇気が出たとあり、若手へのエールも伝わったと感じました。

毎年行っているアンケートはGoogle formsで作成し、そのURLを講演前後にアナウンスとともにチャットで周知し回答を促しました。しかし回答数は14件にとどまり、今後の改善が必要と考えられました。アンケート結果から、満足度は86%が5段階で4以上と回答し、満足度は高かったと考えられます。なかなか積極的になれない発信について考える機会となり、新しい展開を考えるヒントとなったと考えられます。また、今後取り上げてほしいテーマは「研究業界の問題を取り上げる企画(博士の就職難・女性研究者育成・大学評価等)」が77%で最も多くなりました。さらにキャリア形成で悩む点の自由記述回答でも子育て、ライフイベントとの兼ね合いが挙げられており、女性研究者が悩む姿が強く感じられました。ロールモデルの紹介が期待される活動の一つであると再認識しました。

文責:末次 志郎(奈良先端科学技術大学院大学) 津久井 久美子(国立感染症研究所)

ワークショップアンケート結果

日本細胞生物学会賛助会員

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