一般社団法人
日本細胞生物学会Japan Society for Cell Biology

第74回日本細胞生物学会大会 男女共同参画推進・若手研究者育成委員会企画ランチョンワークショップ 「博士のキャリアをどう作る?経験者からのリアルな情報収集、ここでできます」

日時

2022年6月30日(木)12:35~13:35

演者

藤原 郁子(長岡技術科学大学)、櫛田 康晴(日本科学未来館)

司会

末次 志郎(奈良先端科学技術大学院大学)・前島 郁子(群馬大学)

博士課程に進学もしくは進学を考えている学生の多くは、博士号取得という目標の先に、アカデミアで研究を続けたいという希望を持っている一方で、進路の不安や悩みを抱えていることがこれまでのアンケートなどから浮かび上がっています。そこで、今年度のワークショップでは、昨年度最も要望のあった「研究業界の問題を取り上げる企画(博士の就職難・女性研究者育成・大学評価等)」として、主にアカデミア以外のキャリアに焦点を当て、博士後の進路の多様性を紹介・提案することを目指しました。講演者には、ポスドクとして留学・帰国後にURAの経験を経て、長岡技術科学大学准教授に着任された藤原先生と、ポスドク経験後サイエンスコミュニケーターとして日本科学未来館勤務の櫛田先生をお迎えしました。20分弱の短い講演時間で、アカデミアに残る・離れる・戻るなどの人生の決断をした時の心情、ライフイベントと両立するための努力、他分野でのアカデミア経験の有用性、博士号をもつ強みなどについてご自身の成功・失敗経験談を交えてご講演いただきました。

今年のワークショップはオンサイトでの開催となり、定員に達する参加者が集まりました。今回は講演者2名によるご講演に加えて、細胞生物若手の会所属大学院生3名と講演者との対談時間やフロアからの質問時間も設け、若手との双方向コミュニケーションの場となることを目指しました。

アンケートはGoogle formsと紙媒体を併用して回答を募りました。得られた53件の回答のうち、41%の参加者が「非常に有益」と回答し、「有益」と答えた参加者と合わせた割合は91.5%となっており、参加者にとって有意義な情報を提供できたと思われます。実際、参加者自身や指導学生の博士号取得後のキャリアパスの参考になったという意見が多数寄せられており、本ワークショップで博士号取得後のキャリアパスの多様性について示すことができたのではないかと感じました。新しい試みとして設けた大学院生との対談形式が概ね好意的に評価される結果となりました。キャリア形成の悩みに関する自由記述欄では、博士号取得後の進路(アカデミア以外の進路選択・留学・結婚子育てなどライフイベントとの両立)に関する記述が多数を占める結果となり、引き続きキャリアについて討論できる機会に高い需要があることが窺われました。

文責:末次 志郎(奈良先端科学技術大学院大学)

ワークショップアンケート結果

日本細胞生物学会賛助会員

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