膜受容体
目加田 英輔大阪大学微生物病研究所細胞機能分野
EGFファミリーの増殖因子はEGFRに結合する。一方、EGFRにもErbB2, ErbB3, ErbB4のファミリー分子が存在する。Neuregulin (NRG)はEGFRには結合せずErbB3, ErbB4に結合する。各ErbBはお互いにホモあるいはヘテロダイマーを形成して機能する。故に、例えばHB-EGFの場合、HB-EGFはEGFRとErbB4に結合するのでEGFRとErbB4を含む全てのホモあるいはヘテロダイマーを活性化しうる。このようなリガンド-受容体の対応関係が、受容体下流のシグナルの多様性を現すひとつの理由と考えられる。狭義にEGFファミリーという場合はEGFRに結合する増殖因子を指すことが多いが、広義にはNRG等ErbBファミリーに結合する増殖因子も含める。EGFファミリーの特徴として、これらの分子が膜型前駆体蛋白質として合成された後にエクトドメイン・シェディングと呼ばれる酵素的切断を受けて分泌されることがあげられる。
参考文献
Cytokine Growth Factor Rev. 11: 335-344. 2000