膜受容体
目加田 英輔大阪大学微生物病研究所細胞機能分野
EGFファミリーを含むある種の増殖因子やサイトカインは膜結合型として合成される。EGFファミリー以外ではTNF (tumor necrosis factor)-a, c-kit ligand/stem cell factor, CSF (colony stimulationg factor)-1, IL (interleukin)-1, ephrin-B等が膜型として合成されることが知られている。これらの中には膜型でないと正常な機能を示さない因子もある。例えばc-kit ligandでは分泌型は合成できるが膜型を合成できない変異マウスは発生異常を呈することや、ephrin-Bの場合では分泌型に変異させるとその活性が失われること等が報告されている。反対に、ショウジョウバエのSpitz(ヒトTGF-aのホモログ)では膜型では不活性で分泌型が活性型であると考えられている。さらにTNF-aでは膜型と分泌型で異なる受容体に結合するという報告もあり、その作用様式は多様である。
参考文献
Cytokine Growth Factor Rev. 11: 335-344. 2000