DNA関連
後藤 聡
慶應義塾大学医学部生理学教室
概要・原理
plasmid constructionの際、mini prepなしでinsertをもつ大腸菌を、安価に選択できる方法です。 大腸菌をmini prep用にseedし、薄く濁ってきたところで一部サンプリング、遠心してペレットにし、lysozyme入りのバッファーに懸濁した後、あらかじめアガロースゲルのウエルにアプライしておいたリシスバッファー上に重層して泳動します。Insertをもつプラスミドが入ったサンプルは、ベクターのサイズよりも大きくなるので、そのサンプルのみmini prepして、実際のinsertを確認することになり、手間が省けます。
装置・器具・試薬
【試薬】
Protoplasting Buffer
30 mM Tris pH8.0 1 M Tris-HCl (pH8.0) 30 ul
5 mM EDTA 0.5 M EDTA 10 ul
50 mM NaCl 5 M NaCl 10 ul
20% sucrose Sucrose 0.2 g
50 ug/ml RNase 10 mg /ml RNase 5 ul
50 ug/ml lysozyme 10 mg /ml lysozyme 5 ul/ml
Lysis Buffer
1 x TAE 10 x TAE 100 ul
2% SDS SDS 20 mg
5% Sucrose Sucrose 50 mg
BPB BPB 適/ml
詳細
- 集菌 E.coliが薄く増えてきたら、100 ulを取って15,000 rpm 1min supをアスピレート
- あらかじめ泳動槽にセットしたゲルに、2 ulのLysis Bufferをアプライ
- E.coli pptに5 ulのProtoplasting Bufferを加えてsuspend、そのままLysis Bufferの上に重層 (protoplasting Bufferはあらかじめ分注してはだめ。一枚のゲル分を素早く処理すること)
- 最低のvoltで15 min泳動後、100 Vに上げて適当な位置まで泳動する。
工夫とコツ
E.coliが育ちすぎると菌体のlysisがうまくいかず、泳動が汚くなるので、早めにサンプリングすること。