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石川春律先生を偲んで

2008.11.25

月田 早智子大阪大学大学院生命機能研究科/医学系研究科

石川春律先生にはじめてお会いしたのは、主人の月田承一郎が東京大学医学部にて学部学生時代に先生の教室に出入りさせていただき、研究の入門篇のことをさせていただいていたご縁からのことでした。山田英智先生の主催する解剖学教室の助教授であられ、電子顕微鏡を駆使した細胞生物学を目指しておられた若かりし先生の“生体の構造にこだわった細胞生物学”に魅せられて、薬学部修士課程終了後に解剖学教室に入門させていただき、解剖の基礎から細胞生物学そして、生化学などにいたるまで幅広く学ばせていただきました。印象的だったのは、マクロのレベルからミクロのレベルまで、生体の構築と機能には階層性があり、その共通性と多様性を意識した解析が重要であるということでした。

 それから、博士課程を修了後の数年のちまで、密度こくご指導いただきました。石川春律先生は、アメリカでのご研究で、中間系フィラメント (Intermediate-sized filamentあるいは10nm filament)を見いだされたことでその名を馳せ、中間系フィラメントがアクチンフィラメント、微小管とともに、 基本的な細胞骨格を構成する3大要素であるという、いまでは教科書的な基礎知識となっている概念を確立されました。その後の筋細胞、非筋細胞における細胞骨格系の構築についての研究をはじめとして、先生のご興味は非常に広く、先生の当時の情熱あふれるサイエンスのお話は、研究を続けていくことの不安を忘れさせ、研究が楽しいものであると思い込ませるに十分な勢いをもっておられました。当時、解剖学教室に所属する学生の数も少なかったせいか、私どもと先生とのサイエンス談義が数時間におよぶことが実にたびたびあったことを思い出します。終電だからとあわてて大学をでられる先生の姿がおもい浮かびます。このときの勢いでいままで研究を続けてきているような気もします。大学院当時、承一郎は神経軸索内膜輸送の問題や細胞運動全般の問題に取り組むこととなり、私のほうは薬学部での生化学的経験から、細胞膜とそれを裏打ちする機能的構造について、ターゲットとする細胞膜画分を調製しては構成成分を分析しつつ、電子顕微鏡の観察を行なって、細胞膜構造と分子構築、機能を対応させていくという内容に取り組むこととなりましたが、石川先生との3人での、あるいは、同じ教室のメンバーがさらに加わっての話し合いがとめどなく続いたこともしばしばでした。いまの私どもの“上皮細胞接着装置の単離を基盤とする、上皮細胞シートの細胞接着と細胞間バリアー/選択的物質透過性の解析”という研究テーマもこのときに基礎があることはいうまでもありません。

 いまになって思いますと、研究の話で楽しく何時間も時をすごせる研究上の “同士” (師弟、同僚も含めて)ほど貴重なものはないと改めて実感しております。そして、そのような巡り合わせはそうあるものではないことも実感しております。私どもの研究の大方の方向性は、先生との話あいのなかで培われたものであることをいま改めて思い浮かべては、実際の実験はいうまでもなく、それにいたるまでの、“思考と会話“の楽しさと重要性をかみしめております。

 先生は、実際の研究の内容についての話のみならず、研究に対するときの心構えについてもよく力説されていました。繰り返しいわれていたのは、研究をやっていこうと思うならば、研究がpriorityであるという生活をするべきで、若い一時は、みずから泥をもかぶる勢いで研究に取り組むことが大切である、ということであったことを思い返しております。そして、最も強調されていたのは、自分で考えるサイエンスを行うこと、で、それらのお話は、いずれも当時の私どもには至極もっともなことに思え、データーがでたときには、そのデーターをもとにした石川先生とのサイエンス談義を楽しみにしておりました。ときには一緒に実験を行う事も楽しみのひとつで、実際に電子顕微鏡をみながらの議論もまた楽しめるものでした。また、先生のご紹介で他の研究室との共同研究も行うことができ、いろいろな人員の組み合わせで、オーロラのように思いもかけない色彩をもつ研究が生まれうることを体験させてもらえたことも貴重な体験でした。若い研究者に一番大切なのは、それが自分の力であっても他の研究者の力であってもいずれでもよいけれど、とにかく、研究の深い感動を自ら体験することで、その感動があれば、一生研究をすすめていける、と、そして、その意味で石川先生にこの時期師事していることはかけがえのないことだと、周りからいわれたことを思い出します。

 いま、先生の訃報に接して、当時の思い出がよみがえり、そのときのことを新たにかみしめ、なんとか先生にご教示いただいたことを、少しでも多くの若い研究をめざす人々につなげていきたいと思う今日このごろです。先生、本当に有り難うございました。

 石川春律先生のご冥福を心からお祈り申し上げます。合掌。

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