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『未来を語る』

1990.04.01
Vol.1 April

柳田 充弘京都大・理

 昨年の正月に、今後数年間は日本の論文、雑文の類は一切書きません、と願をかけた。それ以前に承諾をしていたものはいたしかたなく書いたが、この一年間いちおう禁を破らずにやってきたので、この短文を書くのは気が重い。しかし、日本細胞生物学会には色々不義理を重ねてることだし、学術的なものではなく、その周辺の事なので、願をかけた神様は許してくれるだろうか。日本語の論文を書くことが悪いというのではなく、私には他に優先せねばならぬことがあるのだ。私の怠情の故と、投稿論文の拒絶が続いたり、大巾修正などがあって、通常の(英語の)論文刊行のスケジュールが大巾に遅れていて、研究室の諸君に大変迷惑をかけている。最近やっと5年前のデータをまとめて投稿したり、もうすでに外国に行ってしまったかつての大学院生の出したデータと格闘する日々を送っていると、気が滅入ってくる。しかし、この過去の部分を省略することはできない。気分転換に気持ちが明るくなるような、未来のことについてでも考えよう。

 未来を予言することは難しいが、日本の細胞生物学が将来大いに発展することは、まず確かであろう。しかし、現在のところ、この国における、生命科学の他の分野の「隆盛」(という表現をしておく)に比べて、細胞生物学は不思議に静まりかえっているように見える。米国の細胞生物学者がわが国の細胞生物学会の年会に初めて参加したなら、日本ではその人口に比べて生命科学の研究者が異常に少ないと結論するか、それとも、細胞生物学がこの国では人気がないと思うかもしれない。生化学会や分子生物学会の年会と比較されたら、後者の結論に達するかもしれない。しかし、本当のところ、そうなのだろうか。

 注意深く日本の現状を観察すると、細胞生物学の分野はかなり良い線をいっているようにみえる。具体的な人名はここでは挙げないが、一つの分野に偏らず、いろいろな分野で、国際的に高い評価を受け、その分野の指導的研究者といってもよい人がかなりいる。層はまだ厚くないかもしれない。しかしその人達の研究室から有能な若い人達が輩出しているようにも見える。ところが、これらの人達の多くにとって、細胞生物学会はメインの学会ではないようである。中には自分を細胞生物学者と思ってない人もいる。研究にアクティブな一部の人々にとって、学会などはどうでもよいと思っている人も多い。私自身、米国の細胞生物学会の関連集会に何度か参加しているうちに、いつのまにか細胞生物学を自分でやっているのに気づいたという、ボンヤリ型もある。

 無理をして、これらの人々を細胞生物学会に引きつける必要はないと思う。学問の必然的な流れが、今まで会ったこともない人々を一堂に会させてくる。最近の細胞周期の研究の展開がその良き一例である。生命のすべての現象が、細胞のなかでの出来事に由来する以上、細胞生物学が生命科学の最も根幹に位置することは疑いもない。

 日本の細胞生物学は今後どんなふうに発展するのだろうか。私は今の状態がもうすこし続くだろうと思う。細胞生物学者と必ずしも括れない人達により、細胞生物学への大きな貢献が続くであろう。その貢献がいつの日かある高さと密度に達すれば、たぶん、国内の集会でも白熱的な議論が自然に行われるようになるだろう。また、そのような集会の需要も急激に高まるであろう。日本細胞生物学会はそのような流れへの良き触媒であってほしい。学会をただ大きくしても意味はない。細胞生物学の未来をリードできる学会であったら素晴らしい。私は日本の生命科学の将来に対しては基本的に楽観的である。エキサイティングな会を体験するためには、飛行機で20時間近くもかけて時差ボケに苦しみながら旅行するのではなく、気楽な国内旅行でも同様な会に出席できる日が間近いと信じている。現にそれに近い体験をごく最近することができた。時間が早く経つのも困ったことだが、そういう時ならば早くやって来て欲しいような気もする。

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