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研究テーマは変わっても人のつながりは変わらず

2025.11.04
Vol.36 September -

榎本 篤名古屋大学大学院医学系研究科腫瘍病理学

巻頭言のご依頼を僭越にも頂き、さあ何を書こうかな?と思案している矢先に坂口志文先生のノーベル生理学・医学賞ご受賞のニュースがあった。すぐに評価されることもなく、いわば逆張りの仮説を一貫して主張し、しかしながら「一つ一つ」(記者会見中のお言葉)着実に研究をすすめ、最後はそれが世間の誰もが認める理論になる – これほど研究者にとって嬉しいことはないだろな!と感じた。「流行りのテーマでなく、逆張りのテーマで研究やらんといかんな!!」→「先生、逆張りだと大学院生が学位とれないから駄目ですよ」というお約束の会話をラボメンバーと交わした。

その私と言えば、逆張り一貫どころか、研究テーマをころころと変えてきてしまったので、大学院生や若い研究者の方には偉そうなことはまったく言えない。大学卒業後に腎臓内科を専攻した私だが、大学院生時代は腎臓生理学とトランスポーターの基礎研究(遠藤仁教授)を、ポスドクから指導教授(高橋雅英教授)のテーマであったRetがん遺伝子のシグナル伝達を、そこから細胞骨格制御や膜輸送の細胞生物学に(ここで細胞生物学会の多くの皆様とお知り合いになれた!)、次に遺伝子改変マウスを用いた研究では血管新生や海馬・脳室下帯の神経新生やてんかんの病態解析を、そこから病理学の分野に入り、がんの研究を始めたかと思ったら、線維化疾患にも手をつけて、という感じで、この一貫性の無さはまったく研究者としてはいただけない例の見本だと思う。日本癌学会の高名な先生に「榎本君って … 一体何の人?」と言われてしまったこともある。別に私が悪いわけでなくて、対象とする分子が関わる現象に気をとられて進んでいったらこうなってしまったので、致し方ないことだとは思っている。子供時代、虫取りや川遊びは大好きだったが、何かを不思議だなと思ったことは一度も無いまま成人しており、研究者としての資質がもともと無かった可能性が高い。

ただ、分野を変えて良かったことがある。細胞骨格制御や膜輸送をやっていた時に細胞生物学会に参画し、イメージング、生化学、タンパク質化学の基礎を当時薬理学の貝淵弘三教授を始め大学内外の多くの方々から学ぶ機会があった。今取り組んでいるがんや線維化疾患の分野では個体のフェノタイプの解析が中心で、研究のすすめ方がやや雑に感じられることも多い業界だが、私がその時に学ばせていただいた細胞や分子の丁寧なイメージングやタンパク質の精製とそれを用いた生化学的実験で得られたセンスは今でもとても生きている(論文にはなっていなくても)。腎臓生理学、血管新生、神経新生の研究をやっていた時の知識やその研究領域独自の考え方も今でもとても役にたっている。細胞生物学を経験せずに、個体解析を中心とするがんや線維化疾患の研究だけをやっていたら、今の自分の立ち位置はなかっただろうな、と確信できる。このように、特定の分野を一貫してやり抜く場合でも、私のようにテーマをころころ変える場合でも、経験や失敗によって「引出し」が確実に増えていくこと、これが研究をやることの愉しみの一つではないだろうか。

分野をころころ変えてもう一つの良いことは、知り合いや友人が増えることである。大学時代に2学年上だった先輩が留年を重ねて私と同級生になった。彼とは今でも時々お酒を飲む仲だが、「2回留年して同級生が3倍の300人になった。同級生はやっぱりいいね。」と自慢している。それと同じようなもので、腎臓内科学、腎臓生理学、細胞生物学、生化学、血管、神経、病理学の分野の研究者の方とずっと交流させていただけているのはとても楽しく、そして感謝すべきことである。細胞生物学の先生方は久しぶりにお会いしても皆さん非常に温かく接していただける。また、少し前には、腎臓生理学を研究していた時に知り合った方が研究費申請の際に私を分担者にしていただいたこともあった。良いこともあるのだなと感謝したものである。

テーマを一貫性なくころころと変えていても、逆張りの仮説は時々思いつくものである。休日だった今日、大学から頼まれたつまらない書類を書きながら、頭の隅で研究のことを考えていたたら、面白い逆張り仮説を思いついて少し元気がでた。単なる文献調査不足でないことを願いたい。

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