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身近なところから始めませんか?

1994.10.01
Vol.5 October

花岡 文雄理化学研究所

 昨今,わが国の若者の理工系離れが深刻な問題になっている。教育にはいろいろな面があり,ある一面だけで論ずるわけにはいかないが,例えば巷では,理工系が3K(キツイ,キタナイ,キケン)で,その割に報酬が少ない,といった理由が主として挙げられている。この文章を読んで下さる方のほとんどは,どんな仕事でも一生懸命やったら3Kではなくなると感じ、また収入は多いに越したことはないが,好きなことができるのなら生活できさえすれば充分であると考えておられるであろうから,ここでクドクド述べる必要はない。そこでどうしたらこの傾向を変えることができるか,という点について考えてみたい。

 初等教育に携わっている先生に話を聞くと,理科の実験を子供達にさせたいのだが,学習指導要領の中身が多すぎるので,その時間がとれないという。理科は,実験によってその面白さを知る面が非常に大きいので,これは致命的とも言える。ようやく文部省もこの点に気づいて,来年度から,まず理科を教える小中高校の教員に,観察や実験の手ほどきをする研修を始める方針を固めたそうで,大変結構なことだと思う。私の所属している研究所の有馬朗人理事長は,この夏,数ヶ所で小中学生を対象に実験を含んだ理科教室を開催し,手ごたえを感じたという。

 次の間題は学生の質である。複数の大学教授に聞いた話では,理工系の学部で必ずしも学生数が減っているわけではなく,むしろレベルの低下が顕著だという。創造・発見をするノーベル賞級の科学者を育てるには,優秀な人材が理科系にたくさん進んでくれなくては困る,という趣旨である。しかし筆者はこの考えには一概には賛成できない。何故なら偏差値の高さと創造性とは必ずしも関係しないことは,エジソンやニュートンの例を持ちだすまでもなく,明らかだからである。学生の質をウンヌンする前に,まずは,現在,科学を仕事にしている我々が,真に優れた業績を挙げることが肝心であろう。いつの時代でも,若者はカッコイイことにあこがれるものである。

 もう一つ重要なことは,科学技術の重要性を若者に理解させることである。現在のこの文明社会がいかに科学技術の恩恵を受けているか,そして21世紀に向けて,環境や高齢化社会などの問題の解決に科学技術の果たす役割がいかに大きいか,などを若者の間に浸透させることは,理工系に進む人間を増やすことに役立つばかりでなく,質の向上にも寄与するはずである。また,教育段階の途中で理科から離れていく人たちが,将来,科学の理解者として社会を支えてくれることにもプラスになるであろう。

 昨秋,海外出張からの帰りの飛行機の中で,たまたま隣合った小学校の体育の先生に仕事の話をしたところ、大変分かりやすいので是非,自分のクラスの生徒にも話をしてほしいとおだてられ,この春,名古屋まで出かけて行って,小学5年生に話をしてきた。癌に関する仕事ということもあってか,非常に熱心に聞いてもらえ、山ほどの質問もされ,自己満足かも知れないが,大変意義深い経験をした。そんな時間があったら、もっと自分の仕事に精を出すべきだ,という意見もあるかとは思うが,ある程度の年齢を越えた研究者の、社会に対する働きかけとして,このような活動も大切なのではないかと感じている。我々ひとりひとりが、身近かなところから始めてはどうだろうか。

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