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「巻頭言」を書くに当たって-細胞生物学

1999.03.01
Vol.10 March

南 康文大分医科大学医学部生化学第一

 会報が届くといつも真っ先にこの巻頭言を読むことにしている。どんな人がどんなことを書いているのだろうかという興味からだが,時に,良く知った人が書いていたりするとその気持ちは一層である。この種の文章というのは,ある意味では非常に書きにくいものである(あまり堅苦しいことを書くのははばかられるし,そうかと言って自分の研究のレビューのようなことも書けない。まして砕けた世間話などできないから,なかなか難しい)から,いつも執筆者の方々のご苦心を思いながら読ませていただいている。前号ではまさにその良く知っている人である慶応大学医学部の小安さんが書いているのを読ませていただいたばかりであった。ところが,何とそのお鉢が私に回ってきてしまった(以前にも似たようなことがあり,「海外研究室便り」を書いたことがある。知人が書いているのを読んだら,次は自分かも知れないと警戒(それとも期待?)すべきであろうか)。

 人の書いているのを読むのはもちろん気楽であるが,自分が書かなきゃならないとなると大変である。何か良いヒントはないかと手元にある数号を読み返してみるが,なかなか見つからない。こうなると,常日頃考えていることなど特別にないから,この機会に細胞生物学について考えてみることにした(とは言え,そんなに突き詰めて考えたわけではなく,付け焼き刃にちょっと考えてみたという程度なので,手厳しいご批判には耐えられないからご容赦願いたい)。

さて,細胞生物学とはいかなるものか。生化学辞典(東京化学同人)(本来ならば分子細胞生物学辞典の方を見るべきであろうが,あいにく持っていない)を引いてみると,「タンパク質や核酸の生合成を含む物質代謝の研究が細胞の内部構造を意識して進める必要に迫られ,その結果生まれた生化学と細胞学の境界領域の学問で, 生体物質とその代謝についての知識と細胞構造についての知識とを総合して細胞レベルで生命現象を研究する学問」とある。となると,私のやっているのは細胞生物学なのだろうか?こうして細胞生物学会の会報に原稿を寄せているのだから,私が細胞生物学会の会員であることは間違いないのだが。

 私は,学生時代は細胞骨格を研究テーマにしており,現在は分子シャペロンを研究しているが,一貫して細胞そのものを扱っことがない。実はそういう負い目が常にあり,つまり,自分のやっていることは細胞生物学ではないかもしれない,いや,どうもそうじゃなさそうだという思いがあり,「細胞生物学」という言葉には一種の憧れのようなものを感じている。細胞骨格タンパク質にしろ,分子シャペロンにしろ,どちらも臓器や細胞から取り出したり,場合によっては大腸菌に作らせたりしたものを精製して,試験管(実際には最近では試験管を使うことはなく,もっぱらエッペンドルフチューブである)の中で混ぜ合わせて実験するのである。もちろん,細胞の中での出来事,すなわち生命現象を念頭に置いて(言い換えれば,生命現象の解明に寄与することをめざして)やってはいるが,決して細胞レベルでの研究ではない。

 その場合よく問題になるのが,生理的意義(physiological relevance)である。タンパク質濃度は生理的か,溶液条件は生理的か,そもそも実験そのものが細胞レベルの事象を正確に(ではないにしても,適切に)反映しているか,等々である。細胞という複雑な系を丸ごと扱っていたのでは見えてこない現象の本質を,単純化することによって明らかにするのがin vitroの実験の日的であるから,その結果,実験条件が細胞レベルとかけ離れてしまうことはある程度はやむを得ない。したがって,問題はその「程度」である。実験をする側の「程度」は大きめであり,それを評価, 批評する側の「程度」は小さめである。そこで,実験をする側の私は,その溝を埋めるべく,「程度」そのものを小さくするか,より多くのデータを積み重ねることにより確実性を高める努力を要求される。

 細胞生物学について考えてみるつもりが,細胞生物学という言葉から頭に浮かんだことを書き連ねる連想ゲームになってしまった。ともあれ,細胞生物学が現代生物学の中心であることは間違いないところで(生化学辞典にもちゃんとそう書いてある),私の研究もその「細胞生物学」になるようにしたいと切に願いつつ巻頭言を終わりにする。

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