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日本における研究室立ち上げを考える

2013.10.04
Vol.24 September & October

長谷 耕二東京大学医科学研究所

「研究者にとっての危機は3つあって、①結婚したとき、②独立したとき、③大型研究費を取った時、だそうです。ということは、長谷さんはいま第2の危機というわけですね」。現所属への異動が決まったとき、一風変わった祝福メールを元同僚より頂いた。日本における研究室立ち上げでは、確かに独立クライシスとして思いあたることがいくつかある。私はたまたま運良く所属先からセットアップ費を出していただいたが、通常このような僥倖は希であり、大抵の場合には、前任者が残した古い機械や元ラボから許可を得て運んだもので間に合わせることが多いのではないだろうか。私の友人には大学の廃品置き場からまだ使えるものを拾ってきて再利用しているという強者もいる(とくに医学部の設置された大学ではなかなかの備品が落ちているらしい)。こうしてハード面での環境を整備したら、次はソフト面だ。これまで使っていた研究材料の移動に伴うMTAをあちこちの大学・研究所と新たに結ぶ一方で、動物・遺伝子組み換え実験申請を行う。各種手続きが完了したら、いよいよ実験開始であるが、一番の悩みはやはり研究費であろう。研究室立ち上げ間もないPIが大型予算を持っていることはやはり希であり、実験・教育・雑務のかたわら、いくつもの研究申請書を書き上げるという、新米PIならほとんど誰もが通るハードボイルドな日常の始まりである。アメリカではNIHグラントのなかに研究室を立ち上げたばかりの若手研究者向けグラントがあると聞く。ポスドクとテクニシャンを一人ずつ雇っても日々の研究費を十分に賄えるくらいの額が5年間支給されるらしい。この期間に元ボスの名前の入っていない論文を書かないと次のグラントが通らないとのことで大変とは思うが、少なくとも5年間は落ち着いて研究に打ち込めるのは羨ましいことである。

日本でも数年前、補正予算で、最先端・次世代研究開発支援プログラムという同様のグラントがあったが、残念ながら、時の政府の気まぐれにより1年限りの募集であった。JSTの「さきがけ」は若手の独立に大いに貢献しているものの、募集のある研究領域が限定されており、自分の専門とフィットする領域が存在しない場合には応募すらままならないのが現状ではないだろうか?「さきがけ」に応募するために自分の専門を変えるというのも本末転倒である。そこで提案として、科研費の中に初回研究室立ち上げ用の申請枠を作ってみてはどうだろう?一例として、若手A枠を廃した上で財源を少し増やし、初年度は立ち上げ費用として2千万、2年目移行は最低1千万円/年を5年目まで支給する。応募制限を年齢で区切ると海外留学や企業の経験者が不利となるため、研究職歴(例えば国内常勤研究者となって何年以内など)による制限とすれば、独立してPIを目指す若手研究者は今よりもっと増え日本の科学界も大いに活性化するのではないだろうか?大学・研究所側には、このグラントが当たった若手研究者には教授から独立した研究スペースや人員(学生)を確保できるよう配慮が求められるため、研究室の在り方そのものの変革が必須である。

独立は、多くの若手研究者にとって念願であると同時に、研究人生において最も大きなパラダイムチェンジでもある。すべては自己責任という名のもと、自由と希望の代償である漠とした不安を抱えながらルビコン河を渡る気分と言えばいいだろうか。「その場に留まるためには、全力で走り続けなければいけない」とは鏡の国のアリスに登場する赤の女王の台詞であるが、その言葉通り新米PIは今日も全力で走り続ける。その場に留まり、一ミリでも前に進むために。

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