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憧れの研究

2009.04.02
Vol.20 March

古瀬 幹夫神戸大学大学院医学研究科

 私が博士課程から長らく在籍した月田承一郎研究室の論文セミナーは、毎回一人が自由にテーマを選び、2時間ほどかけてたくさんの論文を引用して研究の背景、発展、展望を総説的に紹介するというスタイルでした。準備がたいへんで、大学院生のときは実験をやめて一週間くらい費やした記憶があります。もともと私は、上皮細胞の形作りを細胞間接着の視点からアプローチしようと考えて博士課程に進学しましたが、自分のアイデア不足と研究の流れから、実際には細胞間接着装置そのものの解析へ進みました。それでも論文セミナーではリフレッシュも兼ねて、関心のあった細胞の形態形成や細胞構造の局在化機構に関する話題をよく取り上げました。その対象は動物培養細胞から遺伝学の使えるショウジョウバエ、線虫、さらに酵母、大腸菌へと純化されていきました。日頃不勉強な者の特権で、全く知らなかった興味深い研究をセミナーの準備で探しあてると随分得した気分になります。たいてい発展途上の研究を扱って、締めはいつも発散気味でしたが、こんなおもしろい話を知っているのは自分だけ、という全く根拠のない優越感に浸りつつ、よそ様の研究成果を得意になって紹介していました。

 このスタイルのセミナーの利点は、一つの生命現象の解明を目指す各研究者のアプローチの違いや、一人の研究者が携わってきた一連の研究の流れがよく見えることです。そういうことを意識して論文を読んでいるうち、稀にですが、自分がとても好きなタイプの研究に出くわして、実際にそれを展開している研究者に憧れることがあります。たとえば着想のよさ、驚きの発見やスリルある展開に遭遇した経験、技術力の高さ、データを積み重ねてストーリーを構築しつつある姿などに憧れると言うことでしょうか。研究成果はもとより、研究がたどった過程、研究のスタイルをひっくるめてファンになるわけです。自分の研究が唯一無二だと思える研究者は幸せですが、たまに自分とは違う研究を鑑賞するのもサイエンスの楽しみです。研究者がその感性に基づいて憧れを感じることは、自分が研究者としてあるべき姿や研究のスタンスを確認することと表裏一体なので、それなりに意味のあることかもしれません。ただ、自らの研究とは少し離れているからこそ純粋にファンになれるという側面があり、特に相手が外国人の場合、憧れの人の話を直接聞く機会にはなかなか恵まれません。

 細胞生物学会大会をより魅力あるものにしようと議論が重ねられています。細胞生物学にとって価値が高く、会員でない研究者が展開しつつある第一線の研究を、細胞生物学会ならではの見識によっていち早く大会に取り込んで共有することは重要な課題の一つだと思います。その対象として、先に述べたいわゆる憧れの研究を精選して招待することができないでしょうか。プログラム委員も気づかないところで、国内外を問わず、多くの若手の感性に見出された光る研究が間違いなく存在するはずです。それなのに、惹かれた本人の仕事と関係が薄いために、招待する名目のないまま遠い憧れとして放っておかれるのは惜しい。そのような研究を何らかの方法で集約して、吟味した上でプログラム編成にほんの少しでも反映させることは可能かもしれません。

 と、好き勝手なことを書いたところで、自分の研究室のおとなしいセミナー風景を思い出して考えこんでしまいました。果たして、「こんな研究に憧れる」と自分なりに研究を評価して議論できる学生が育つよう、私が研究室でこれまで十分に力を尽くしてきたか。努力不足と言わざるを得ません。まずはそこから出直したいと思います。

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