細胞培養関連
疋田 智也
阪大微研細胞機能分野
概要・原理
細胞ががん化するとき、一般的に非接着条件下で増殖するという足場非依存的増殖能を獲得することが知られている。この評価にはマウスにおける造腫瘍性実験で確認できるが、その前段階としてin vitroで評価するsoft-agar colony formation assayがよく用いられる。本アッセイ系では、単層培養法と2層培養法が用いられるがここでは、よく用いられている2層培養法について解説する。
装置・器具・試薬
詳細
- 1.8 % agar溶液をオートクレーブにて滅菌して溶解し、45℃のWater Bathで保温しておく。
- table.1に示す割合でbottom, top mixを作製し、45℃のwater bathで保温しておく。
- 十分に保温したbottom mixと1.8% agar溶液を滅菌した試薬ビンまたはチューブ中で1.4 vol : 1 volの割合で2.5 ml×必要枚数分+α混和し、45℃のwater bathで保温しておく(Final 0.75% agra)。
- 35 mmディッシュまたは6ウェルプレートにディスポのピペットを用いて2.5 mlずつ上記のbottom agarを注ぎ、4℃で8分間静置し固めた後インキュベーターにて保温する。
- 十分に保温したとtop mixと1.8% agar溶液を滅菌した試薬ビンまたはチューブ中で4 vol : 1 volの割合で1.5 ml×必要枚数分+α混和し、45℃のwater bathで保温しておく(Final 0.36% agra)。
- 細胞を通常の手順ではがした後、セルストレイナーを通すことでシングルセルとし、2×105cells/mlに調整する。
- 細胞懸濁液 100 ulを 15 mlチューブに移し、ディスポのピペットを用いてtop agarを 3 ml/tube加えて泡立たないようにピペッティングし、1.5 mlずつbottom agarの上に播く。
- 4℃で8分間静置し固めた後、インキュベーターにて保温する。
- 1-2週間後にコロニー数をカウントするか、プレートに 5mg/ml MTT溶液を500 ul添加し、インキュベーター中で1時間程度保温することによりコロニーを染色し、カウントする(Fig.1)。
工夫とコツ
参考文献
QIAexpress Ni-NTA Fast-Start Handbook
Yoshimura S, Haas AK, Barr FA. Methods Enzymol. 2008;439:353-64.