大隅先生、
このたびはノーベル生理学・医学賞受賞、おめでとうございます。日本の細胞生物学 研究が大きくイニシアチブを発揮して生み出してきた研究成果がこのような評価を受 け、国民を広く励ましたことに、細胞生物学会員として我がことのように喜びを感じ ております。

特に、種々のインタビューの中で先生が「”役に立つ研究”と安易に口にする現在の風 潮」に繰り返し釘を刺されたこと、そして「科学は文化である」と述べられたこと、 まさに我が意を得た思いでした。基礎研究を突き詰めて今日のような新しい研究分野 を生み出された大隅先生が述べられてこそ重みを持って多くの人々の心に届く言葉で あると痛感しております。

ちょうど、大学2年生に分子細胞生物学の講義を始めたばかりのタイミングであり、 私も、学生にこの興奮を熱を持って語っているさなかです。彼らも、大隅先生の姿、 言葉に励まされ、基礎研究の重要性を深く理解しつつあります。

本当にありがとうございます。私もいっそう精進したいと思います。

お身体、ご自愛ください。