一般社団法人
日本細胞生物学会Japan Society for Cell Biology

Vol.33 January - December (1) 会長退任の挨拶

米村重信 (徳島大学大学院 医歯薬学研究部、理化学研究所BDR)

本年6月の日本細胞生物学会総会をもちまして2年間の任期満了となり、井垣達吏先生に後任の会長職を託して日本細胞生物学会会長を退任いたしました。この間、副会長を勤めていただいた吉田秀郎先生、庶務幹事の大杉美穂先生、濱崎洋子先生、会計幹事の池ノ内順一先生には執行部として常に連絡を密に学会の運営に貢献していただき、どうもありがとうございました。また、選挙管理委員長の原田彰宏先生、幹事として今本尚子先生、吉久徹先生にもご尽力を感謝いたします。事務局として金光朋子さん、引き継がれた明石恵理子さんには、学会運営全体、スケジュール管理など、欠かせない役割を果たしていただくことができ、本当にお世話になりました。

総括いたしますと、新型コロナウイルスによる影響が最も強かった、これまでにない状況下での会長でありました。この間、執行部の会議も理事会も総会も全てオンラインで行われました。会長として対面の大会に臨むこともありませんでしたが、オンラインでの会議に慣れてきたこともあり、議論自体は十分にできたと思いますし、旅費などの経費は削れる部分もあることがわかりました。大会に関しましては、森大会長の第72回大会が新型コロナの襲撃により、誌上開催となり、引き続き森先生に大会長をしていただいた第73回大会もオンライン開催となり、残念ではありましたが、活発な議論はできていました。第74回は今本先生が大会長を勤められ、実現可能か心労が大きかったと思いますが、久しぶりに充実した対面の大会を東京で実施していただくことができました。若手の会もオンラインや対面で次々と新たな企画による活動を続けています。オンラインを経験した私たちは、気軽に繋がれることは大いに取り入れて継続しつつ、日常から場を変えた環境下の対面での深い議論、目立つ発表、密なコミュニケーションも大切にしていくべきでしょう。

また、私の期で新たに実現したことは、この時期にも合っていたかもしれませんが、学会内の選挙をオンラインにしたことです。これまで封書でのやりとり、人海戦術での開票、集計などを行っており、負担も大きいものでした。これについて、いくつかの業者とも連絡を取り比較検討し、最終的に本学会のホームページ運営で協力いただいている奥村氏に正式に委託してオンライン選挙の実施を行うことになりました。少人数での試行によって改善を行い、実際にはほぼ問題なく選挙の実施ができました。ゼロからのスタートでしたが、システムの開発に取り組んでくださった奥村氏に感謝いたします。また、アンケートも気軽にオンラインで取るようになりました。

細胞生物学会は研究を推進する上で常に良い刺激、気付き、情報交換の場であるべきだと考えております。特に大会はそのような場だと位置付けております。これからの細胞生物学を担う若手のためにはシニアが本気でやっていることを示し続けるのが基本姿勢ではないかと思います。一方若手にはどんどん生意気になって、批判されては屈せず改善して成長していくというのを期待しております。

本学会を支えてくださっている全ての会員の方々の発展と健康を願って退任の挨拶の最後としたいと思います。

(2022-09-10)


(2022-12-19)

日本細胞生物学会賛助会員

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