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真夏の夜の夢

1991.08.01
Vol.2 August

竹縄 忠臣都・老人研

 永年の経済高度成長による繁栄を謳歌していた日本社会も,金余りに象徴されるバブルの崩壊と共に陰りを見せてきた。証券会社や商社の不正取引発覚に端を発し、利潤追求へ盲進するあまりのモラルの低下による多くの事件が連日マスコミに大きく取り挙げられている。あまつさえ信用と堅実の代名詞と思われていた銀行がバブルを支えていた黒幕であったことが明るみに出て,その根の深さに驚かされる。その様な盛夏の今日,原稿の〆切ということもあって日頃思っている世の中のアンバランスさについて―多数の研究者に共通の思いと思うが―の愚痴を書いてみたい。

 上記経済不正にまつわる新聞やテレビのニュースを見てまず驚くのが金額の大きさである。100億とか1000億とかいう数字がなんの臆面もなく発せられている。一方,この様な膨脹しきった経済とは対照的に大学棺桶論が某週間誌上をにぎわせたことは我々研究者の心情を代弁してくれたものとして話題となった。誌面で指摘された様に,カップ大関うんぬんはオーバーとしても,設備の劣悪さ,研究費の貧困さのくだりには思わずうなづいてしまう。富める国でのこのアンパランスさは悲哀を越えて滑稽ですらある。一歩も二歩も譲って建物の古さ,狭隘さや設備の老朽化には我慢するとしても,指摘通りの研究経費の少なさはまさに研究生命に死活の問題である。我々の研究費は、毎年固定の講座費と申請して獲得する研究助成金より成るが,御承知の通り,講座費はここ十数年ゼロシーリングを受けて実質減少を続け,現在では雀の涙程度になってしまっている。近年の生命科学特に遺伝子工学の進歩には目を見張らされ,有用な手段としての応用も広い。しかし研究に必要とされる機器や試薬には高価なものが多い。この現状では,金のかかる遺伝子工学の手法は特定の研究者だけがその恩恵を享受できることとなる。日常の研究に於ても頼みは研究助成金である。その頼みの綱は文部省をはじめ諸官庁や民営法人によって成されているが,総額としてまとまり,誰しも申請できて一応公平に審査されるものは文部省の科研費が最大であろうし一番多くの研究者が恩恵を受けている助成システムであろう。その総額が600億円だと開く。更に増額すべく文部省の方が非常な努力をされていることも聞いている。これに対して何万人かの研究者が群がる現状は一つの角砂糖に群がるアリを想像させる。一方企業の研究者はといえば高収益に支えられて立派な研究所と整った設備の中で快適な研究を行っている者が多い。しかしそれはあくまで会社の方向性と合致した応用研究が主体であり,純粋な基礎研究まではその守備範囲となっていない。となると日本の基礎研究の前途は決して明るいと言えない。しかも現在の研究助成は目的指向型,応用科学的なものが多く,基礎研究者もテーマを修正して助成金を得る方向へと動くことが予想される。この様な助成の方法は社会のニーズ(癌やボケの治療など)に応えるために仕方ないと思う反面,研究の夢をも刈り取ることにならないかと危惧される。科学とか文化にとって最も大切なものは自由―発想の自由と行動の自由,そしてそれを認める寛容さだと思う。金持ち日本としては余裕を持って遊びの心で,こう言うと不謹慎だと言われるかも知れないが,遊び位のつもりで科学者の夢をはぐくむ度量がいい研究を育てる最良の食糧であろう。研究者というものは意外と勤勉で,自由にさせておいても結構一生懸命働いているものなのである。角砂糖の数が2〜3個に増えて,少し心とお金に余裕を持って基礎研究が続けられればとささやかに願うのも真夏の夜の夢なのであろうか?

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