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「材料と方法」

1997.07.01
Vol.8 July

神谷 律東京大学大学院・理学系研究科

 大学院に入って研究らしいものを始めてから25年もたってしまった。生物科学は実に大きく変わったと,あらためて思う。この間当然ながら自分の研究のスタイルも変化して,モノクローナル抗体などの新材料や遺伝子クローニングなどの新方法を使いはじめた。昔は想像もしなかったことである。

 仕事がそのように展開したのは,もともとは生物科学分野のいくつかの大発見のおかげであり,直接的には様々な蛋白質やキットが売り出されて,容易に新技術に手を出すことができるようになったからである。考えてみると,新技術に限らず,自分が行っている研究の重要な方法はほとんどすべて他の研究者が開発したもの,さらには商品として準備されているものである。自分の研究を発展させているのは主観的に自らの発想と努力であるが、客観的に見れば他人の開発した実験技術が劣らず重要であるということになるだろう。たとえば私の場合,一番よく使う実験技術はSDS電気泳動で,そこにグラディエントゲルを使い,銀染色を行う。すべて外国人研究者の発明になるものである。今ではあたりまえの方法だが,開発された当時,それらのおかげで仕事が飛躍的に進んだという実感がある。研究の次の発展も様々な新技術のお世話になるに違いない。PCR,各種ブロット法、共焦点顕微鏡法、エレクトポレーション,カルシウムインディケーター,光ピンセットなど,最近も多数の画期的方法が発明され,商品化されている。研究者の創意工夫と企業の商売心が連携してこのような新技術を生み出すことが,生物科学の研究全体を前進させる重要な原動力であるように思える。

 現在も続々と新技術が開発されていることは,大変ありがたい。しかし,同時に,自分が他人の開発した技術ばかりを使っていて,技術のほうからこちらにやってくる状況であることが,私には少々残念に思える。自分でもせめてちょっとした工夫をして,他の人がやっていないやり方をして見せたい。その方が同じ研究をするにしても楽しいし,気分がよいのではないかと思う。そしてその感覚を拡大して言えば,上にあげたような新技術の開発に日本人研究者が関与した例が非常に少ないことも残念である。論文の「材料と方法」部分に引用する文献がほとんど外国人のものばかりになってしまうのである。もとより研究で最も重要なことは発見という成果であり,多くの日本人研究者が大きな成果をあげていることは疑いないが,基礎実験技術を開発するほどには,わが国力は成長していないのではなかろうか。

 その疑念をはらすためにも,将来,わが国の研究者が実験技術の開発によって世界の研究に大きく貢献するような状況が生まれることを期待したい。そのためには,独創的な方法論や実験技術の開発を高く評価する風潮が生まれることが必要である。とりあえず科研費などの成果第一主義を少し緩めて,‘すぐには役にたたないけれども方法が風変わりで面白い’研究を応援してみてはどうだろうか。

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