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濁ったほうへ

2013.07.11
Vol.24 July & August

井垣 達吏京都大学大学院生命科学研究科

最近、異分野の研究者が集う会に何度か参加していて、困ったことに気づいた。名札に名前・所属と専門分野を書くのだが、自分の専門分野を何と書くべきか本気で悩んでしまうのである。今こうやって巻頭言を書かせていただいているのに何だが、胸を張って「細胞生物学」と書けるような仕事をしているわけではないし、密かに憧れている「○○○○学」が一瞬頭をよぎるものの憧れの分野名を書いても仕方がない。本当は「細胞間コミュニケーション学」などと作ってみたいのだが、そんな勇気もない。結局、「生物学」(海外の時は「Biology」)という恐ろしく巨大なくくりの分野名を書くに至ってしまうのである。

実は、似たような経験はこれまでもあった。学会に演題を出す時や研究費の申請をする時など、研究内容に合ったカテゴリーをリストの中から見つけ出すのにいつも苦労する。別に老眼がはじまったと言いたいのではなくて、ピタリとくる分野名が選択肢にないのである(その結果、「その他」で出すことになったりもする)。こういうのはなんとなく寂しい気もするし、ピタリとくる人たちが集まってイケイケで分野を盛り上げている研究コミュニティーがうらやましく見えたりもする。しかし一方で、この少しはみ出し感というか発展途上感は、なんとなく心地良かったりもする。自分の居場所があやふやで先もよく見えないのは、ある意味楽しいのである。

今から10年前、学位を取ってすぐにアメリカに留学した。4年半のポスドク生活は本当に楽しくて、将来の不安を感じるよりも日々の充実感の方が大きかった。当時の自分のメモ(ブログともいう)をちょっと開いてみると、「一年先の自分がどこで何しているか分からないなんて、なんてexcitingな人生なんだろう」とあった。単純で楽観的過ぎる自分にあきれてしまうが、一方でこれはこれまでの自分の研究人生をドライブしてきた大切なコアの部分なのかもしれないとも思った。当時、NatureだったかScienceだったかに「濁ったほうへ進め」というようなエッセイが載っていた。サイエンスの海の中では澄み切って見通しのよい方向よりも、何があるか分からない(がしかし危険な)濁ったほうへと勇気を出して進めという内容だった。当たり前の内容かもしれないが、まさに将来の方向性を模索しながら海の底でもがいていた私にとっては大きな勇気を与えてくれるものだった。「常に危険だと思うほうの道を選ぶ」ということを生涯を通じて実践したのは、芸術家の岡本太郎氏である。つまりは、自分のハートに従うことは危険なほうの道を選んでしまうことなのである。サイエンスの世界に限らず、そういった勇気が未来を拓くのだと思う。

この春に神戸から京都へと研究拠点を移し、先の見えない旅の新たなスタートを切った。自分の専門分野がいまだにあやふやなのは「濁ったほう」へと向かっている証拠だと思い込むことにして、これからも勇気をもって進み続けたいと思う。一緒についてきてくれる学生たちも、時が来たらひるまず、ハートに従って濁ったほうへと飛び込んでいってほしい。大丈夫、いざ飛び込んでしまえば後はなんとかなるものです。

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