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個人と学会

1989.10.01
No.61 October

竹市 雅俊京大・理・生物物理

 日本における科学研究システムの中で、研究費審査のための分野の分類法ほど、不合理で、実情にそぐわないものはない。なぜ、細胞生物学や分子生物学といった、現在、生物学の中心的役割を果たしている領域の名称が見つからないのだろうか。これは、誰しも感ずる素朴な疑問である。自分が関係している分野を、分類表のいずれかの項目にこじつけることは不可能ではないかもしれないが、相当な無理を強いられる。とくに矛盾を感じるのは、若々しく活性度の高い分野が小さく収められ、そういうものを推進しようという姿勢がみられないことである。

 さらに問題は、この分類に対応した一部の学会が、科学研究費の審査において特権を有するという事実である。我々が、研究の成果を発表する時、自分の研究の内容にふさわしい、質の高い討論の場を選ぼうとするわけだが、残念なことに、そういう場が、科研費に締び付いた学会であるとは限らない。そこで、学会の選択には非学問的なバイアスがかかることになる。学術的には参加する価値の低い学会に、科研費との関係で参加せざるを得ない、という話をよく耳にする。なんと不健全で無駄なことが行われているのだろうか。細胞生物学会は、これまでこの種の特権とは無縁であり、純粋な学術的集まりであった。そういう意味で本学会は大変すがすがしい存在である。しかしながら、特定の学会が特権を有するという研究社会の歪みは是正していかねばならない。最近、本学会関係者によって細胞生物学の推進に関する論議が進められているが、これらの問題の解決のために充分な影響力を発揮することを期待したい。

 研究活動と学会とは、本来、独立なものであり、学会が関連分野の科学者を代表するものとは限らない。

 学会に参加するかどうかは個人の自由であり、実際のところ、学会に参加すれば研究が進むというわけでもない。従つて、学会というものは、個人に対し権力集団であってはならない。こういう意味で、研究の評価を学会に委託するというような制度は、そもそも、ある種の不公平な要素を含むものである。ましてや、特定の学会だけが、政治的特権を有するとしたら、これは大問題である。

 理想的には、学会のような、特定集団の利益を代表し得る組織は、公の研究費の審査からは切り放されるべきであろう。

 研究費のシステムを考えていると、まだまだ色々な疑問にぶつかる。たとえば日本の科学行政は、集団行動を重視しすぎるという感じがする。その一例として、多くの重要な研究費は、グループを組織して申請することになっている。問題は、そのようなグループの組織が、かならずしも研究Eの必要性に迫られて行われるわけではないことである。そこから、多くの矛盾と無駄が、研究活動の上に生じている。よい研究というものは、元来、個人を基礎として、個人の主体性に基づいて生まれるものである。人間関係を気にせずに、研究に没頭できるような研究費システムをもっと充実できないものだろうか。

 以上のような問題に対し、どのようにメスを入れ改革することができるのか、一科学者の立場としては、ただただ呆然としてしまう。結局のところ、個人のレベルでできることは、どのような制度の下でも、よい研究を維持する努力を続けることであろう。これは不可能なことではないと思う。優れた研究が発表される学会は、自然に強力な分野を形成するであろう。制度いじりは大切であるが、まず心すべきは、日常の研究の質そのものである。そのような前提がない限り、制度に関する議論は空しい。

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