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「スウェーデンから見た日本のバイオサイエンス」

1992.08.01
Vol.3 August

宮園 浩平Ludwig癌研究所

 今年に入ってから日本での学会に幾度か出席した。テーマは皮膚科学,肝臓病学などの臨床医学から基礎的な生物学までさまざまだったが,これらの学会では発表者が日本人外国人の区別なくいっしょに発表する形式のものが多かった。その進行は実にスムーズで,日本のバイオサイエンスもインターナショナルになったことを実感した。最近の記事を読むと日本のバイオサイエンスは今後もますます発展し,21世紀の初めにはアメリカ,ヨーロッパ,日本の3者がほぼ肩を並べるであろうと予想しているものが多い。つい数年前まではこうした話は夢物語にしか思えなかったが,現在では夢でもないように思えて重た。バイオサイエンスの進歩の上での一つの大きな壁は英語であったが,これなども日本人はほどなく克服してしまうのではないかと思う。私はスウェーデンに来てのべにして6年になる。ヨーロッパから眺めても日本のバイオサイエンスの進歩は目をみはるものがあり,将来は日本がこの分野でかなり重要な役割を果たすようになることは間違いないと見られている。ただこうした予測も,日本人の一人としてヨーロッパで生活していると必ずしも手放しで喜んでいられない不安も残っている。比較が不適切かもしれないが,自動車産業の今日の姿を見るといくつかの疑問が浮かび上がってくる。日本の自動車は値段も安く,性能も世界一と言って良いことは多くの人が認めるであろう。しかし日本の自動車には我々が日本にいると気付かないようないくつかの日本人らしい特徴がつきまとっている。一言で言うととにかて良くできているのだがこんなものまで必要なのかな,ということである。スウェーデンで私の周りを走っている自動車には1980年代前半に作られた古い型のものが多い。いわゆるオートマチック車はまれで,窓の操作などもほとんどが手動である。なぜか?ヨーロッパの人間は(少なくとも北欧では)古い自動車を自分で修理しながら長く使う。ガソリンスタンドに行くとガソリンは自分で入れなければいけないし,タイヤの空気も自分で調節する。車はシンプルで頑丈な物がペストで,下手な装備はかえって故障のもとになるというのである。そうして眺めると,日本人は我々の考えている以上に消費文明にひたっているのかもしれない。バイオサイエンスが進歩するにつれて学会やシンポジウム,雑誌がどんどん増えているがこれもそうした徴候の一つで,多くの人々の努力が空回りしているのではないかと思う。ヨーロッパではこうした学会や雑誌はきわめて少ない。私の周りを見回してみてもその進歩は決して早くないし,アクティビティも高く見えないが,それでも無駄を省き,着実に進んでいる姿を見ると,こうした姿勢も必要ではないかと思う。再び自動車のことで恐縮だが,日本の自動車産業がマーケット重視の姿勢で,決して古くない車がどんどん捨てられていく(これは車検という法律にもよるのだろうが)のに対し,ヨーロッパでは車を作る側が,資源の節約や環境の保全,そして人々の安全ということを真剣に議論し,自動車とはどうあるべきかというコンセプトを前面に打ち出している。日本のバイオサイエンスも多くの企業が参入して,力を注ぐようになったおかげでその進歩にさらにはずみがついたことは疑いない。しかしその進んでいく方向が,日本の事情にあわせたマーケット中心のもの,あるいは日本人だけの好みに合ったものだと,悲しい限りである。日本のバイオサイエンスに対する期待が世界的に高まりつつある現在,将来日本がこの分野でオピニオンリーダーとなるように広い視野で考える時期が来たのではないかと思う。

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