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教育は国家百年の計

2002.02.01
Vol.12 February

三浦 直行浜松医科大学教授

 今,日本は教育の危機にあると言われる。

 国家の基礎をなす教育について大きく見てみると,第2次大戦後の教育は貧しさの中で,個人(自分)が(物質的に)豊かになるために教育に希望をつなぎ努力をしてきた。しかし,1990年のバブル崩壊が象徴的に示すように,最近の教育は(物質的)豊かさの中に目標を失って混迷している。いくら努力しても結果にあまり差がでない(結果平等主義)ので,社会に閉塞感が充満している。バブル崩壊は,日本が戦後,営々と築き続けてきた「日本方式」の敗戦を意味している。今こそ,新しい方式への旅立ちの時である。その目標とは,日本(人)が幸せになるようにあるいは地球人類が幸せになるように貢献した人が皆から賞賛され,努力と成果が公平に評価されるシステムである(結果不平等主義)。別の言葉で言うなら,生きがいの豊かさ,つまり個人の生きがいと公の幸福,そして物質的豊かさプラス精神的豊かさを目標にする。しかし,新システム「結果不平等主義」にも,今までの「結果平等主義」にも長所,短所があるので,適度に修正を誰かが施す必要はあろう。

 そして,大学における研究も変わることが求められている。欧米に追いつけ型の「平等主義」から,先進レベルの「競争主義」に変わりつつある。丁度,病気(循環不全)の症状は末端において早期にかつ著明にあらわれるので,地方大学の症状を見てみると日本の病態をはっきりと理解できるかもしれない。研究の改善のために,大学院重点化や大学の独立行政法人化が進みつつある。これは,循環をよくするという根本治療となりうるのだろうか。それとも旧体質(循環不全)のままの対症療法にすぎないのだろうか。また,大学の活性化をはかるということで「助手の任期制」が言われている。しかし,流動性をよくするには,大学院生やポスドクが卒業あるいは修了したところとは異なる大学に移ることを義務づければ人材や情報の循環あるいは流動性が改善されるのではないだろうか。新しい人と出会うことは,新たな研究のとっかかりになる。違った発想をもつ人どうしがお互い出会うことで,ノーベル賞級のアイデアや工夫が生まれてくるかもしれない。また,日本のどこで,どのようなことが実行されているかの情報も手に入り易くなる。

 国際競争力で見ると,日本は21位である。2位のアメリカを抜いて,フィンランドが第1位である。フィンランドは,面積は日本より少し少ない程度だが,人口は500万人と少ない。フィンランドも同じく過疎に悩んでいたが,欧州という巨大市場を抱えており,過疎というマイナスをインターネットなら過疎は問題ないという逆発想で乗り切ったのである。10年前,フィンランドは不況で失業率18%となり,危機にあった。政府はこの失業率18%を逆に「教育の機会」ととらえ,IT化への教育を行った。そして,今フィンランドの国際競争力は世界第1位となった。

 日本は失業率が5%を越えたが, 過去のフィンランドに比べれば軽症である。心配なのは,仮に日本が失業率18%になり教育や研究に重点投資を行ったとしても同じ結果が得られないかもしれないということである。日本には特有の体質があり,その改善が緊急課題かもしれない。

 教育や研究は今後も国家の基盤を作る最重要課題である。根本治療を施すと患者は健康体となる。「大善は非情に似たり」とは竹村健一氏がよく口にしている言葉である。根本治療には大きな痛みを伴うかもしれない。しかし, 健康体となった日本は百年光り続けることになるだろう。

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