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霞ヶ関通いの憂鬱

2001.08.01
Vol.12 August

吉久 徹名古屋大学物質科学国際研究センター

 2001年6月現在,文部科学省学術研究助成課は,今話題の外務省の裏側,旧科学技術庁の中にある。中に入るには身分証が必要だが,大学の身分証がそのまま有効だ。本省と大学の建物にはいくつか違いがあるが,最も大きいのは,時期がこないと集中冷暖房のスイッチが入らないことだろう。6月はじめに開かれたある暑い日の委員会では,お偉い先生方が汗を拭き拭き議論されていた。室内では扇風機が回っているだけ。窓は閉めてある。窓を開けないのは,機密保持のためではない。街宣車やデモ隊がうるさいからである。このようなところに平均週1回出入りをするのが,「学術調査官」の仕事だ。もちろん各委員会の委員には,各分野で実績・指導力で優れた先生方が選ばれる。しかし,物事には必ず橋渡しをする人間が必要だ。委員と事務官の橋渡しを,事務側に立って行うのが学術調査官の仕事である。事務官の皮をかぶった研究者というか,なかなか悩ましい役柄である。私は,ひょんなことからこの仕事を引き受ける羽目になった。大学では自分の仕事があるからその分よけいに給料が欲しいところだが,私の体はボーズ粒子でできているわけではない。時間的には「一人分」の仕事しかできないので,やはり,給料は一人分しか出ない。

 私が仕事をしている学術研究助成課が扱うのは,科学研究費補助金である。酸いも甘いも知り尽くした先生方は別として,多くの若い研究者にとっては,科研費のシステムは,秋に申請書を書くと翌年の夏くらいにお金をもらえる(ことがある)ブラックボックスだろう。科研費のうち,最もお世話になる基盤研究や奨励研究は日本学術振興会で,高額の特別推進研究・特定領域研究は文科省の管轄下,科学技術・学術審議会に属す委員会で審査される。基盤の審査員は,日本学術会議の研究連絡委員会が,分科細目ごとに学会に推薦を依頼し,その中から選ばれる。読者の中には,膨大な数の申請書を前に呆然とした経験をお持ちの方もおられるだろう。書く側だって,毎年微妙に変わる書式にとまどい,どのように評価されているか分からないまま結果を受け入れざるを得ない等,不満は多いと思う。私が関係するのは,むしろ,特別推進や特定領域などの審査である(と言っても,議事録の作成が主だが…)。そこで最も感銘を受けるのは,審査委員の先生方の体力・忍耐力である。特別推進や特定領域のヒアリングは,9:00~21:00の予定でみっちり組まれている場合もあり,昼夜2度の食事も自分の席で食べる。下手をするとエコノミー症候群を気にしなければならない。科研費の採択率の問題に加え,このようなことでは十分な審査ができないという声も高く,より適切な審査体制づくりに向け,今年も,基盤研究の分科細目や,審査の方針・方法など,様々な改革の模索が行われている。

 ところで,科研費を事務上扱っている方々はどのような人々か。現在,学術研究助成課の課長は女性である。物静かな雰囲気だが,言語は明晰な方である。若い事務官には茶髪の方もいる。最近の学生の頭髪には不満な方もおられると思うが,天下の文科省からしてこうである。時代の流れには逆らえない。しかし,髪の色がどうであれ,中央官庁の人はよく働く。日付が変わるタイミングでメールが届くこともしばしば。ただ,彼らも,結構,我々の研究が進むことを望んでいる(もちろん,事務官としてできる範囲ではあるが…。)。こちらが,自分の責任を明確にし,手続きに乗っ取って事を進めようとする限り,結構,味方になってくれるようである。

 さて,科研費についての誤った「うわさ」について一言。うわさその一,「基盤研究は分科細目ごとに採択率が違う」。これは間違い。「基盤研究はあくまでbottom-upであり,全ての細目を均等に扱う」というのが現在の文科省のスタンス。うわさその二,「特定Aは特定Bより採択率が低い」。確かに,最近,新規の特定Aが少なくなっている。ところが,実績上,特定Aの採択率は特定Bに比べ,むしろ高いぐらいである。組織の構築と申請の大変さとからだと思うが,申請件数が減ってきている結果,成立する領域が減っている(実力のある先生方は是非頑張ってください!)。なお,特定の申請を考えておられる先生方へ。意外にも複数の領域申請中に,おなじ研究者が計画研究代表者として名前を出してしまう例が後を絶たない。たぶん,次年度も重複申請は厳しく扱われる。重複申請となった個々の計画研究題は,即,投である。組織の人選には,十分気をつけてください。

 最後に大切なことを言い忘れていた。私の担当は理工系(物理,化学,工学)だ。残念ながら,みなさんの興味のある生物系に関する情報は知る立場にないのであしからず(う?ん,自分でも残念だ)。

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