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科学者にとって真理とは何だろう

1996.03.01
Vol.7 March

赤川 公朗杏林大学医学部第2生理学講座

 人に人生の目的は何かと尋ねられると,それに正面から答えることは難しいとしても,人それぞれに様な答えが返って来ることだろう。それでは,おそらくこの文章を読んでいる多くの方が属している“研究という職”を業いとする人達が,科学者としての目的は何ですかと聞かれればどうか。これに対しても多くの解答があるだろう。例えば研究活動に深遠な哲学的意味付けをされている人,研究すること自体が目的であるという人,或いはその賛否はともかくとして,科学者としての名声を欲して行動する人もあるかもしれない。しかしかなりの数の方々は真理の探求と答えるのではないだろうか。私自身は比較的単純な人間なのでこの答えで納得してしまっている。むしろ,余計なことは考えずにそれで事足れりと無理やり考えているという方が正しいかも知れない。

 それでは翻って,真理の探求と云う意味,問題を限定すると科学的な真理とは何かと考えてみよう。もちろん,昨今,世間を騒然とさせた某宗教のいう真理(?)などというものは問題外であるが,我々が現在認識している科学的真理―これは我々の認識し得る科学的原理,実体と言換えても良いだろう―は本当に真実だろうか。この問いは科学者と称する人種が歴史に現われて以来,常に繰返し自問されてきたといっても過言ではない。科学史上の新たな知見により,それ迄の科学的認識,原理に対する価値判断が変ると云うことが常に繰返されて来ているのはご承知の通りである。その様な歴史に残る大発見でなくとも我々の日常の研究の上で,つい数年前まで認められていた説がいつのまにか跡形も無く消えてなくなってしまう例はよく経験する事である。逆に意味がないと考えられ全く無視されていた事柄が突如として真実に迫っていたことが明らかになることも耳にする。我々が日常よく遭遇するケースで一番困るのは,一端ある仮説が提出されると,それ自体が一人歩きをして,いつのまにか実体がないままに科学的真実であるかのように受取られてしまう場合があることである。その説を詳細に証明したり否定したりすることが難しい場合には,なお一層それが強化されて,その分野における主流を占めてしまうような例すらある。このような疑似真理(!)に対して我々はどう対処すれば良いのであろうか。その様なケースは一種の熱病のようなもので時間が経てば消えてしまうのだから放っておけばよいという意見もある。しかし我々の限られた時間と研究費の中で,無駄なことの為に費やすことはあまりに惜しい気がする。この様な状況に対処する方策は,現時点での考え方に対して,可能な限り批判的,客観的に眺めつつ,自分自身の独自な判断に基づいて研究を進めていく以外には無いと私は考えている。とりわけ,もっとも流布されている説には意識的に距離をおく必要があるのではないか。そうすることにより初めて,真偽を正確に判断する姿勢が現われてくるものである。おそらくこれは学問,研究の世界のみならず,社会一般に通じる考え方である。しかし私の様な平凡な人間には,あからさまに時流にのらない生き方をすることは,学問の世界ならずとも難しいのが世の常である。特に科学者の場合には研究費がとれなかったり,研究結果が,所謂,よい雑誌に載せてもらえないという事態になりがちである。それでも付和雷同せずに独自の道を歩むという意志だけは持ち続けたいと思う。

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