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将来の細胞生物学者を増やすために私たちは何ができるだろうか

2019.08.05
Vol.30 August - December

亀高 諭名古屋大学医学部保健学科

誰にも、若い頃に影響を受けた本があると思う。私は中学生にあがる頃まで本の虫と呼ばれるほど読書の好きな子供だった。図書館が好きで、毎日のように町の公民館の中にある図書室に通い、閉館まで本の虜となった。そこで多くの自然科学関連の図書、特に動物学や博物学の図書に出会ったことは少なからずその後の自分の人生に影響していると思う。この数年、10月が近づくとそわそわしてくる人も多いのではないかと思うが、今年も嬉しいことに我が国から名城大学名誉教授の吉野彰先生がノーベル賞を受賞された。熱のこもった研究内容に関する報道のなか、毎度ニュースで伝えられる「若い頃に影響を受けた本」に今年もファラデー著「ロウソクの科学」があった。恩師である大隅良典先生も影響を受けた本として挙げられたこの本は、私の少年時代の愛読書のひとつだった。小学生の頃手に入れた同著は岩波文庫の小さな装丁で、ジーンズのお尻のポケットにぴったり収まり、一日中持ち歩いてボロボロになるまで、それこそ何十回となく読み返した。

この本は、イギリスの科学者ファラデーが1860年のクリスマスにロンドン王立研究所主催の6回のクリスマス講義を行った時の様子を伝えるものであるが、対象には王侯貴族だけでなく一般市民、老若男女が含まれ、平易な言葉で科学の本質的な様々な原理について、ロウソクの燃焼という誰にも身近な現象を通して実験をしながら説明する、というものだった。簡単な挿絵しかない本だが、素晴らしい臨場感と論理的な語り、シンプルではあるがよく練られた実験の数々に時間が経つのを忘れて引き込まれたものだった。そして、先日2、30年ぶりに本書を読み返してみたところ、あることに気がついた。それは、子供の頃に印象強く記憶に残っているパートがどの章もその日の講義の導入部分であったということだ。もちろん内容に関してもどの章も素晴らしいものだが、これから始まる講義に心踊る感覚、実験を待ち兼ねる感覚が子供心に非常に強かったのだろうと思う。

話が変わるが、子供達の理科離れが叫ばれるようになって久しい。私は大学で1、2年生の学生を対象に生命科学や基礎医学の講義をすることが多いが、大学の教育の場においても、若い学生の自然科学に対する知識欲の少なさが気になることがある。もちろん学生すべてに当てはまるわけではないのだが、何よりもまずは受け身で、本に書いてあることなんておおよそほんの一部の分かったことだけなのだと説明してもピンとこない。未知のことを自分で探したり調べたりする学習の機会が少なく、そんな暇なく受験を乗り切らなければならなかったのも理解できる。しかし、すぐ手の届くところにある自然科学の楽しい側面や、自分で未知のことを発見できる喜びなどを小中高の長い学校生活で感じられない子が多いのは残念に思う。一方で、スーパーサイエンスハイスクールなどの次世代人材育成事業が底上げに大きく貢献しているのを実感をもって感じることも多いし、様々な学会でちらほら高校生の発表の場がみられるようになったのはとても良いことと思う。自由闊達な自然科学の研究を皆が推進して世界に伍していくためには、常に萌芽していく新しい研究を大事に育てることが重要で、国の科学研究費補助のあり方もそれをサポートすべく変化してきている(おじさん達には厳しくなってきていて辛いですが)と思う。なにより細胞生物学会をはじめ、多くの学会で若手の学生、研究者が頑張ってきているのも素晴らしい。しかし、我々研究者も日本の科学の将来を担う子供たちの教育について、研究者のコミュニティーとして何をすれば良いのか、何ができるのかを考えていく必要があるのではないかと思う。

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